歯科矯正治療を始める前に

歯科矯正の治療には、
患者さん自身にも協力して
頂かなければならないことがあります。

歯科矯正治療を行うにあたって、歯科医師が適切な治療を行うことはもちろんですが、歯科医師だけではなく、歯科矯正の治療には、患者さん自身にも協力して頂かなければならないことがあります。まず、噛み合わせや歯並びの不具合といっても様々な種類があり(開咬、過蓋咬合、叢生、空隙、上顎前突、下顎前突など)、それぞれ原因も様々であるため、治療の経過も患者さんひとりひとりの状況によって異なります。場合によっては健康な歯を抜歯した方がよいということや、患者さんが前から見えない矯正器具を希望されていても使用する事が出来ないということもあります。また、治療期間が長期になってしまうかもしれないことや、不具合を直すための治療が終わった 後、きれいになった歯並びが再び移動することを防ぐために、おおよそ2年程度、保定装置を付けなければならない期間が存在すること、矯正装置を付けている期間中、虫歯にならないために、普段使っている歯ブラシとは異なる特殊な歯ブラシを使う必要があることなど、しっかりと治療効果を出すために、患者さんにも積極的に治療に参加して頂くことが必要です。

歯並びや噛み合わせの異常により起こりうること

歯並びや噛み合わせの異常により、いろいろな疾患の誘因となります。(「誘因」とは、疾患の直接的な原因ではないが、その疾患にかかる環境を助長しているという意味です。)歯並びや噛み合わせの異常によって起こりうる障害について以下にリストアップしました。

虫歯発生、歯周病の誘因

凹凸の激しい歯並びでは、歯磨きが非常に難しいため、食べカスが歯面に残り、細菌が繁殖することにより、虫歯や歯周病の誘因となります。

外傷及び歯根吸収の誘因

唇側や頬側に突出している歯は、転倒 やスポーツで顔面を強く打ったりすると、口唇や頬粘膜を傷つける原因となるばかりではなく、歯冠、歯根、あるいは歯槽骨の破損を招くことがあります。

咀嚼障害
(物をうまく噛めない)

咀嚼障害とは物がうまく噛めないということです。歯並びや噛み合わせが異常であるということは、上下の歯が正しい位置にないということであるため、上下の歯を正しい位置に移動させて、うまく物を噛もうとする際には、顎関節に通常とは異なる負担がかかります。

発音障害

出っ歯の場合、上の前歯が下の前歯よりもかなり外に出ているため、唇が閉じられず、「パピプペポ」などが発音しにくいです。受け口の場合は、下の前歯が上の前歯よりも外に出ているため、空気が漏れ出し、「サシスセソ」が発音しにくいです。

呼吸への影響

鼻の疾患を有する場合、あるいは歯並びが悪く口唇の閉鎖が困難な人では、口呼吸が生じます。鼻の役割のひとつとして、空気を取り込む際にフィルターの役割を果たし、ごみを取ってくれます。冷たい空気が直接、気管や肺に入らないように湿度を高めてもくれます。エアコンや加湿器、空気清浄機のような働きをしていると言っていいかもしれません。鼻は空気による細菌感染の防波堤であり、免疫機構の一翼を担っているため、もし口呼吸をするようになると、場合によっては、気管や肺の疾患につながるなど全身の健康に対して悪影響を及ぼす可能性が生じます。

筋機能への影響

歯並びが悪いことによって、口腔周辺筋の機能に異常をもたらす場合があります。出っ歯では唇を閉じることが困難であるため、下顎の皮膚を上方に引き上げて唇を閉じようとして、顎に梅干しのような表出が現れたりします。

骨の成長への影響

成長発育途上において、歯の位置が原因となり、下顎が前後左右のいずれかの方向に偏位していることがあります。このような場合、その偏位が上顎、下顎の骨の成長に影響し、異常な成長を誘導してしまうことがあります。

顔の形への影響

歯並びが悪いことが原因によって、しゃくれ顔や唇が突き出ているような顔つきになります。

社会生活における
不都合と心理的影響

患者さんの中には、現在の歯並び、噛み合わせに自信がなく、社会生活を送るうえで、社会的心理ストレスを感じており、審美性の改善という観点から心理的、社会的に満足できる状態を求めて歯科矯正治療を希望する方も少なくありません。当医院では、このような患者さんの自信のあふれた笑顔を作り出すことを目標にして歯科矯正治療を行っています。

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